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東海道53次 48.関
佐野喜版(1840)
「狂歌東海道」-横大判56枚揃物
彫師:堀田治 / 摺師:品川勝夫
浮世繪之美 - vol.3148

保永堂版「關」が副題「本陣早立」なので、狂歌入り版も同様に本陣早立を描いていると見る解説も少なくないのですが、駕籠に同行する武士一行が一文字笠を脱いでいること、行列の先頭に立つ槍持ちと挟み箱担ぎが後ろに控えていることを勘案すると、駕籠が本陣に到着し、迎えの武士や宿役人が待ち受けている様子を描いているものと解されます。幔幕を広重を意味する「ヒ」と「ロ」を組み合わせた紋で飾るのは、保永堂版で広重の父の実家「田中」を意匠する紋を付けた仕掛けと同じユーモアです。

関宿は、愛発(あらち)・不破とともに、古代3関の1つ鈴鹿の関の置かれた場所で、名前もそこに由来しています。また、宿場の東には伊勢街道との分岐があり、西には大和街道との分岐があって、それぞれ、東の追分、西の追分と呼ばれており、交通の要所に発展した宿場であることが重要です。それ故、繁栄する宿場を表現する観点から、保永堂版・狂歌入り版ともに宿場を代表する本陣を描いているのです。関宿では、川北本陣と伊東本陣が道を挟んで向かい合っており、保永堂版の方は川北本陣、とすると狂歌入り版は伊東本陣かと解説されることが多いのですが、広重の意図は、保永堂版で『東海道名所圖會』などを参考に構想した本陣を狂歌入り版で実景表現の本陣に描き直して、取材的根拠を事後的に補完するつもりであったのではと思われます(アリバイ作り説)。つまり、狂歌入り版が伊東本陣とは限りません。

関には東西に追分があるだけでなく、隣の亀山が堅苦しい武家の城下町であったことから、宿場として相当の繁昌を見せ、「関は千軒、女郎屋は估券 女郎屋なくして関たたん」と歌われる程、多くの飯盛女がいました。「くゞつめ」(遊女)が目的で関を定宿とする旅人の後ろめたい気持ちを詠ったのが、本狂歌です。絵(武士)と狂歌(遊女)の見事な棲み分けです。

くゞつめに 引とめられて 定宿の
言訳くらき 関の旅人
森の屋御影

歌川廣重(Utagawa Hiroshige,1797-1858)
《東海道五十三次》爲浮世繪大師歌川廣重成名作
描繪由江戶至京都的53個宿場
包含起點的江戶日本橋和終點京都内裏共56景

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浮世繪之美

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